2019年03月01日

植田正治写真美術館

雪の中、大山の麓に鎮守さながらに佇む植田正治写真美術館(設計:高松伸)。「個人美術館に、これほど広大な空間を与えるのは贅沢すぎ!」と思いましたが、内部には清潔な天衣無縫がいっぱい詰まっていて納得しました。

外界との協調関係で成り立っている空間構成にも魅了されます。特に、3階の石庭に至るドアを開けた瞬間に目に飛び込んでくる情景は記憶に残るでしょう。それにしても、こうした施設が完成す

るまでには、さまざまな紆余曲折があったことでしょう。この仕事に関わられた全ての人々に感謝を捧げたいと思いました。

喫茶コーナーもお洒落ですね。館主・植田正治さんは、残念ながら故人となられましたが、優秀な学芸員に恵まれているようで、いつまでも素敵であり続けてくれるに違いない。

館内で最初に案内される「逆さ大山」を映し出す映像展示室に使われているレンズは、ベス単と同じ機構のレンズを発売していた事のある清原光学が製作したそうです。「ベス単写真帖・白い風」(1981)を発表した頃に植田さんと一緒に山陰を歩かれた方に教えていただきました。


NEWS! ご案内をいただきました (^_-)-☆

企画展:植田正治の「出雲」と「松江」
会 期:2019年3月1日(金)~6月2日(日)
    9:00〜17:00(入館は閉館30分前まで) 
    火曜日は休館(祝日の場合は、翌日)
入館料:900円(一般)
会 場:植田正治写真美術館
    鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
    0859-39-8000

植田正治は、1960年代を中心に「出雲」と「松江」をテーマに多くの撮影を行っています。1950年代から「古きよきもの」に強く関心をいだいていた植田が、山陰の代表的景勝地「出雲」と「松江」をテーマに撮影したことは必然であったでしょう。

雑誌・フォトアートには、新出雲風土記(1964)や出雲風土記(1968)の連載、そして山陰の町/松江(1962)、松江雨情(1965)、松江初夏(1966)といった多くの掲載がみられます。この頃、すでに写真家としての地位を確立していた植田が、「出雲」と「松江」を自身が撮るべき被写体として強く意識していたことがわかります。

カメラ紀行 出雲の神話 神々のふるさと(1965)、出雲路旅情(1971)、神話の旅(1973)、出雲大社(1974)、出雲(1974)、松江(1978)、新出雲風土記(1980)など、意外なことに、植田は「出雲」と「松江」の紀行本、写真集を多く手がけています。もちろん、依頼によるものが多いのですが、依頼する出版社も、演出写真の植田が「出雲」と「松江」をいかに表現するかといった、期待があったのでしょう。

今回の展覧会では、水の都といわれる「松江」、神々のふるさとといわれる「出雲」、いずれも、植田流の演出がきかない被写体に対して、植田がいかに挑み、いかに表現したかをご覧いただけることでしょう。これらの写真に潜む、植田独自のまなざしをお楽しみください。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)